国立新美術館 〒106-8558 東京都港区六本木 7-22-2 |
2012 12/20(木) 報道発表会 国立新美術館 |
2013年、中世ヨーロッパ美術の至宝、パリより奇跡の初来日! |
フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 貴婦人と一角獣展 |
The Lady and the Unicorn
from the Musée de Cluny, Paris, France |
フランス国立クリュニー中世美術館の至宝 《貴婦人と一角獣》 は、西暦1500年頃の制作とされる6面の連作タピスリーです。19世紀の作家プロスペル・メリメやジョルジュ・サンドが言及したことで、一躍有名になりました。 千花文様(ミルフルール)が目にも鮮やかな大作のうち5面は、「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」と人間の五感を表していますが、残る1面「我が唯一の望み」が何を意味するかについては、“愛” “知性” “結婚” など諸説あり、いまだ謎に包まれています。 本作がフランス国外に貸し出されたのは過去ただ一度だけ、1974年のことで、アメリカのメトロポリタン美術館でした。今回の二度目の国外展覧会が、いかに例外的で貴重な機会であるか、わかっていただけると思います。 |
会期: 2013 4/24(水)~7/15(月・祝) 会場:東京展 国立新美術館 企画展示室2E 主催:国立新美術館、フランス国立クリュニー中世美術館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社 大阪展:2013 7/27~10/20 国立国際美術館 |
画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。 |
フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 「貴婦人と一角獣展」 報道発表会 '2012 12/20 |
魅惑し、誘う。この中世の美への憧憬が「愛」である。 |
全長22メートル!迫力の6連作 《貴婦人と一角獣》、一挙公開! |
|
【展覧会の構成】 | |
本展は、この中世ヨーロッパ美術の最高傑作と誉れの高い 《貴婦人と一角獣》 連作6面すべてを日本で初めて公開するもので、タピスリーに描かれた貴婦人や動植物などのモティーフを、関連する彫刻、装身具、ステンドグラスなどで読みといていきます。 クリュニー中世美術館の珠玉のコレクションから厳選された約40点を通して、中世ヨーロッパに花開いた華麗で典雅な美の世界を紹介します。 |
|
触 覚 Touch 背すじを伸ばして堂々と立つ貴婦人が、右手で旗竿を持ちながら、左手で一角獣の角に軽く触れています。動物が旗竿を支えていないのは、この両面だけです。背景に描かれた猿もまた、自らの首輪の鎖に手を触れています。 1.タピスリー 《貴婦人と一角獣「触覚」》 1500年頃 羊毛、絹 373cm x 358cm フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 旗を揚げ、一角獣の角に触れる貴婦人。 |
嗅 覚 Smell 貴婦人は、侍女が支える皿から花を選びながら、花冠を編んでいます。ここにも猿は登場し、貴婦人の背後で花の香りをかいでいます。うつむいて花冠に眼をやる貴婦人は、物思いに沈んでいるようにも見えます。 3.タピスリー 《貴婦人と一角獣「嗅覚」》 1500年頃 羊毛、絹 368cm x 322cm フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 花冠を編む背後には、花の匂いを嗅ぐサルが。 |
視 覚 Sight 草地の上に腰を下ろす貴婦人の膝に、一角獣が前脚をのせ、憩っています。貴婦人は、右手で鏡を支えながら、左手で一角獣のたてがみを撫でています。一角獣は、鏡に映る自らの姿に見入っています。 5.タピスリー 《貴婦人と一角獣「視覚」》 1500年頃 羊毛、絹 312cm x 330cm フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 貴婦人の鏡に映った自分に見入る一角獣。 |
《貴婦人と一角獣》は、ブサック城で19世紀半ばに発見された。 |
||
The Musée de Cluny - Musée national du Moyen Âge, Paris,
France © P.O Deschamps / Agence VU' フランス国立クリュニー中世美術館 |
||
パリ・セーヌ左岸、ソルボンヌ大学に隣接したカルティエ・ラタンの一角に、14~15世紀の古代ローマの公共浴場の遺構とクリュニー修道会が所有していた館の、二つの歴史的建造物を利用して、1843年に国立クリュニー中世美術館として創立されました。およそ170年近い歴史を持つ美術館です。5世紀から15世紀までのヨーロッパ中世美術の傑作を数多く所有し、《貴婦人と一角獣》
に代表されるタピスリーや彫刻、金細工、ステンドグラスなど、そのコレクションは23,000点以上にのぼります。 《貴婦人と一角獣》 タピスリー連作は、画面全体に動植物をちりばめた「千花文様(ミルフルール)」とよばれる特徴的な手法によって構成されていることや、画中の貴婦人たちの服装などから、1500年頃に制作されたものと考えられています。下絵を描いたのは、人物の表現から、15世紀末から16世紀初頭にかけてパリで活躍した 「アンヌ・ド・ブルターニュのいとも小さき時禱書の画家」 として知られる画家と推定されています。 実際のタピスリーが織られたのは、北フランスやフランドルの、当時タピスリーの制作が盛んに行われていた都市、アラス、リール、ブリュッセル、トゥルネー、ブリュージュ、あるいはパリのいずれかでしょう。 タピスリーを注文したのは、6枚の画面に繰り返される赤字に青の斜帯を置き、その上に三つの三日月を配した紋章から、リヨン出身のル・ヴィスト家の者であったとされています。この一族は、14世紀後半から16世紀前半にかけて、ブルボン王家の家臣として、またパリ高等法院で、活躍する何人かの人物を輩出しました。 この連作タピスリーが初めて文献に現れるのは、下って19世紀初めのことで、フランスの中央、クルーズ県にあるサック城とよばれる古城の調度品としてでした。 そして1882年にフランス国家買い上げとなり、クリュニー美術館に収められました。 |
||
フランス語でタピスリー(tapisserie)、英語でタペストリー(tapestry)、そして日本語では綴織(つづれおり) と呼ばれる大型の織物は、西欧の城や教会などのむき出しの石壁を装飾し、居住性を高めるために用いられました。原寸大の下絵を参照しながら、丈夫な麻の縦糸に、染めた羊毛や絹の緯糸を杼(ひ)という道具で通していくことで、少しずつ図柄が生み出されていきます。 |
お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル) 展覧会サイト:http://www.lady-unicorn.jp/ 美術館サイト:http://www.nact.jp/ 主催:国立新美術館、フランス国立クリュニー中世美術館、 NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社 後援:外務省、フランス大使館 協賛:凸版印刷、日本興亜損害保険、三井物産 協力:エールフランス航空 |
参考資料:「貴婦人と一角獣」Press Release、報道発表会VTR他。 |
ご意見ご感想は yashio@mui.biglobe.ne.jp> |
Copyright © 2002-2012 Yashio.ALL Rights Reserved. |